日本国内に主に流通している昆布をご紹介いたします。昆布それぞれの特色を知ることで、味の違いをより一層お楽しみいただけます。

昆布の種類

主な昆布の生息分布

昆布の故郷は、北の海、主に北海道が主流です。
採取時期や採取海域、銘柄、製品の結束形態、光沢と切り口の色等から、細かく分けられ、それぞれに名称を持っています。
主に食卓にのぼる昆布の種類についてご紹介します。

日本国内の主な昆布

真昆布

昆布の中でも上級品とされています。成育する浜によって昆布の品質が異なり、「白口浜」「黒口浜」「本場折」は道南三銘柄と呼ばれ、高級品として定評があります。色は褐色で、葉体の幅は約20~35センチ、長さは約1.5~3メートルが一般的です。清澄で上品な味わいの出しが取れるため、出し汁そのものの味を生かす料理に向いています。もともと上品な甘味を持ち、噛めば噛むほど独特の甘味を味わえます。肉厚なので、おぼろ昆布やとろろ昆布、塩昆布などの高級加工品として用いられています。

白口浜:切り口が白いことから、こう呼ばれています。松前藩が徳川幕府に献上していたものと言われています。

黒口浜:白口に対して、切り口が黒みがかっているものを言います。

本場折:葉の幅が広くて長い沖採りのものと、幅が狭く、肉質の厚い岸採りのものがあります。

利尻昆布

黒褐色で真昆布と酷似していますが、幅13~20cm、長さ1.5~3mと真昆布より小ぶりです。真昆布とともに高級品ですが、生育地域の違い等から、独立した種類でなく真昆布の変種とされています。味わいは真昆布と明確に異なり、上品な甘味に加え採取場所により塩味が含まれています。京都では千枚漬けや湯豆腐によく使われ、おぼろ昆布やとろろ昆布など加工品としても用いられます。

三石こんぶ

一般的に「日高こんぶ」として知られています。
濃緑に黒みを帯びた色あいで、葉体の幅は7~15センチ、長さは2~7メートルと帯のような細長いのが特徴です。三石こんぶの特徴としては繊維質が比較的柔らかく、煮上がりが早いので昆布巻きなど惣菜に向いています。
またコクのある味わいなので、出し昆布としても広く使われています。

えながおにこんぶ

茎が太く、短く、幅広い葉体を持つおにこんぶの品種のひとつです。おにこんぶは塩流の早いところに生息するものほど長くなる傾向があり、それらを「えながおにこんぶ」といいます。一般的には「羅臼こんぶ」と呼ばれています。柔らかく、口当たりが良いので、細切りしたものをそのまま食べたり、酢こんぶとしてよく使われています。

長こんぶ

細長い帯状の形をしています。大きいものでは20メートルにも達するものもあると言われています。
幅は6~18センチ、長さは最大15m以上で、色は灰色を帯びた黒です。外見の特徴は三石こんぶとほとんど変わりません。惣菜などに使用され、特に若いうちに採取されるものは柔らかく煮物用に重宝されています。